生命をつくる道具

岐阜県関市で家庭用刃物、各種調理用品の企画・製造・販売を一貫して営む株式会社サンクラフト。「他社とは違うことをしよう」という社風から開発・製造されるオリジナル商品が国内外の顧客から高い評価を得ている。

創業は1948（昭和23）年。産地の後発企業として、常に「他社とは違うこと」に活路を見いだしてきた。1960年代にはオリジナルブランド「SUNCRAFT」を立ち上げるとともに、商品開発に注力。「かしめ（継ぎ目）のない1枚もののお玉」、「黒色の調理用品」などのヒット商品を生み出した。

転機は1999年。取引先・経営環境が激変する中で、現代表取締役社長の川嶋紹市氏が事業を継承。規模拡大に傾倒した事業体制を抜本的に見直すとともに、オリジナル商品の開発・製造を「強み」とする調理用品の総合メーカーとして原点回帰を果たした。近年では、社内外の女性の意見を取り入れた「働く女性のキッチングッズ」など、現代の生活様式に対応した商品を広く提案する。

川嶋氏は「生命の維持に必要な食事。その食事をおいしく、豊かにするために使う道具も必要不可欠なものでありたい」と話す。調理用品を通して食事の大切さや楽しさを伝える、作り手の熱い想いが込められている。

2017年6月19日