桑都の中小企業の挑戦
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
東京都八王子市は、かつて「桑都(そうと)」と呼ばれた。桑(くわ)の木の葉は、絹を生み出すカイコ蛾の幼虫(カイコ)のえさとなる。それほど、八王子は繊維産業が盛んだった。その名残で、現在も繊維産業にかかわる中小企業は多い。株式会社ユーエスは様々なスポーツのユニフォームや制服などのワッペンや刺繍を製造している会社だ。細かな模様や意匠を刺繍の技術で表現していく技は、他ではなかなかまねできないものだ。
同社で企画・営業を担当する内田公祐氏(現社長の息子)は「八王子がものづくりの盛んな場所、繊維産業の盛んな場所だということを広くPRしたい」と考え、市内の中小企業後継者仲間と様々な取り組みをしている。
秋に開催された緑化フェアでは、仲間の企業と一緒に、カプセルトイ(レバ―を回すと玩具が出てくる機械)の中身を作った。「直接、商売に結び付くかどうかは別にして、まずは自分たちが何を作っているのかを知ってもらうことから始めたい」という。八王子野菜を刺繍で表した作品も制作した。東京オリンピック・パラリンピックでは、「メード・イン・東京」の製品を求める外国人が増えるのではないかと予想されている。小さな町工場の取り組みが新しい名品を作り出す可能性も高い。
2018年1月9日
株式会社ユーエス :
東京都八王子市叶谷町1565-9
【株式会社ユーエス HP】
- ライバルとの連携で飛躍
(2015年4月6日) - 人とつながる「縁」農活動
(2015年4月13日) - 「夢」をスタートさせるビジネス
(2015年4月20日) - 「食事の楽しさ」をデザイン
(2015年4月27日) - 事業連携の第一歩は気づきと想像力
(2015年5月4日) - 赤レンガ復元をブランドに
(2015年5月11日) - ブランド創りのカギは「やせがまん」
(2015年5月18日) - 地域から必要とされる
(2015年5月25日) - 「選択」の楽しさを提供
(2015年6月1日) - 身近な缶は、実はエコロジー商品
(2015年6月8日) - 日本の住宅産業を変える
(2015年6月15日) - 印刷業から出版の新市場を創造
(2015年6月22日) - 23区唯一の造り酒屋は大人気
(2015年6月29日) - 新規事業は足元から
(2015年7月6日) - 酒造りは良縁を醸すサービス業
(2015年7月13日) - 自前の超精密技術で、新事業展開
(2015年7月20日) - 隣接異業種への挑戦
(2015年7月27日) - がんばれ、日本の鋳物産業
(2015年8月3日) - 養豚経営のあり方を模索
(2015年8月10日) - 世界へ飛躍するデザイン力
(2015年8月17日) - 「こだわり」こそ武器
(2015年8月24日) - 自社の価値と位置を再認識
(2015年8月31日) - ママたちが「HAPPYに楽しむ」
(2015年9月7日) - 「課題解決」による顧客創造
(2015年9月14日) - 革新を続ける伝統企業
(2015年9月21日) - 中小企業が市場を創る
(2015年9月28日) - 鈴鹿から世界へ挑戦
(2015年10月5日) - 本場仕込みのヤギチーズ
(2015年10月12日) - こだわりの技術で市場を開拓
(2015年10月19日) - 100年マンションの実現を
(2015年10月26日) - 地域の資源をつなぐ
(2015年11月2日) - 挑戦を続ける最先端企業
(2015年11月9日) - メリヤスの草履が世界へ飛翔
(2015年11月16日) - アイデア銭湯
(2015年11月23日) - 着物を海外へ
(2015年11月30日) - 超硬金型を武器にタイで展開
(2015年12月7日) - ロボット技術で自立への道
(2015年12月14日) - 成長の秘訣は「捨てること」
(2015年12月21日) - 未来の糧の種をまく
(2015年12月28日)
- 伝統技術とデザイン力で世界へ
(2016年1月4日) - 時間を買ってもらう
(2016年1月11日) - 自動車から医療機器への参入
(2016年1月18日) - スーツ、金髪の若者が農業を変える!
(2016年1月25日) - 外部との連携で生まれた新製品
(2016年2月1日) - 世界に広がる爪切り
(2016年2月8日) - 経営資源の集中で新市場創造
(2016年2月15日) - ひらめきを具現化した「割裂工法」
(2016年2月22日) - 落語家のバー
(2016年2月29日) - 美濃と和紙を元氣に
(2016年3月7日) - 荒波を乗り越える「顧客支援力」
(2016年3月14日) - 「400年企業」の挑戦
(2016年3月21日) - 仏具販売を革新
(2016年3月28日) - 継承した技術を世界に発信
(2016年4月4日) - 過疎と戦う地域の活力源
(2016年4月11日) - 中小企業の国際化戦略
(2016年4月18日) - 「間」をとりもつ美
(2016年4月25日) - 自社製品を売る工夫
(2016年5月2日) - 地元資源のユニークな活用
(2016年5月9日) - お墓づくりで世直し・人助け
(2016年5月16日) - 自社製品開発による飛躍
(2016年5月23日) - 「時」が魅力を醸成する銅器
(2016年5月30日) - 「脱下請け体質」の効果
(2016年6月6日) - 顧客とともに日本の壁を楽しく飾る
(2016年6月13日) - 海から浜への再挑戦
(2016年6月20日) - 小規模企業のグローバル化
(2016年6月27日) - 琥珀色への想い
(2016年7月4日) - 花火の文化と技術を継承・発展
(2016年7月11日) - OEMから自社製品へ
(2016年7月18日) - 職人が生み出す美しい栓抜き
(2016年7月25日) - 広島牡蠣を全国へ
(2016年8月1日) - 海藻の美しさ
(2016年8月8日) - 伝統と革新の和合が生む新たな世界
(2016年8月15日) - 業界初のサービスで「脱1社依存」
(2016年8月22日) - 子どもの声が聞こえる職場
(2016年8月29日) - 医療検査用ポンプで躍進
(2016年9月5日) - わかりやすさで伝える技術
(2016年9月12日) - 地域資源を活用した新機能製品
(2016年9月19日) - 伝統工芸の組み合わせで付加価値
(2016年9月26日) - 温泉宿泊施設再生の「秘策」とは?
(2016年10月3日) - 技術と人材を生かした刺繍事業
(2016年10月10日) - 人気ラーメン店を支える製麺所
(2016年10月17日) - 「価格」ではなく「価値」に活路を
(2016年10月24日) - チャンスをとらえて国際化
(2016年10月31日) - WEBカメラによるIT経営
(2016年11月7日) - 地域活性化に貢献する学校
(2016年11月14日) - 「和食」の文化と健康を守る
(2016年11月21日) - 女性活躍は企業変革のカギ
(2016年11月28日) - 人の輪を再生する地域活性化
(2016年12月5日) - 口コミの効果
(2016年12月12日) - 里山の未来
(2016年12月19日) - 地域を醸し、未来を拓く
(2016年12月26日)
- 切断機のプロフェッショナル
(2017年1月4日) - 人材育成で多様化に対応
(2017年1月9日) - 大豆の本場アメリカで蒸し大豆を販売
(2017年1月16日) - マッチングビジネス
(2017年1月23日) - 郡上八幡から「楽しい」を世界に
(2017年1月30日) - 新たなスプリング用途の開拓
(2017年2月6日) - 「人活企業」が「革新企業」に
(2017年2月13日) - 海外客に人気の老舗昆布店
(2017年2月20日) - 「変えること」と「変えないこと」
(2017年3月6日) - 正直な商売で事業拡大
(2017年3月13日) - 左官業の慣習を改革
(2017年3月20日) - チタン加工技術で世界へ
(2017年3月27日) - 技術者集団をつなぐ
(2017年4月3日) - 世の中にないものをつくる
(2017年4月10日) - 石材店が作った免震装置
(2017年4月17日) - 超精密パイプで世界へ
(2017年4月24日) - 情報発信力が企業を強くする
(2017年5月1日) - 「草の根」の6次産業化
(2017年5月8日) - 生産者と消費者の顔の見える流通
(2017年5月15日) - チーム重視で挑戦
(2017年5月22日) - メーカーへの転身で危機脱却
(2017年5月29日) - 「土台づくり」が成長の礎に
(2017年6月5日) - 地元産にこだわるスムージー
(2017年6月12日) - 生命をつくる道具
(2017年6月19日) - 用途が無限に広がる「プラダン」
(2017年6月26日) - 空室ゼロを実現する不動産会社
(2017年7月3日) - からくりの伝統を継ぐ消防ノズル
(2017年7月10日) - 世界一のスリッターマシンを
(2017年7月18日) - 生き残るために変わり続ける
(2017年7月24日) - 地域とつながる自販機
(2017年7月31日) - 自動車部品から医療機器へ
(2017年8月7日) - 地元の農家と農業を活かす
(2017年8月14日) - 「古いもの」は「新しいもの」
(2017年8月21日) - 「働き方改革」で課題克服
(2017年8月28日) - 街のかかりつけ薬局へ
(2017年9月4日) - 本物のビロード
(2017年9月11日) - 海外市場を先行して開拓
(2017年9月19日) - お葬式の「正解」を求めて
(2017年9月25日) - 食・花・緑あふれる豊かな社会を
(2017年10月2日) - 顧客ニーズに寄り添う医療用品
(2017年10月10日) - 世界の技術動向を吸収
(2017年10月16日) - 「笑顔のデザイン」を形に
(2017年10月23日) - 誇りを持てる物流企業・業界に
(2017年10月30日) - 日本のそろばんを世界に
(2017年11月6日) - 「脱公共工事」の行き先
(2017年11月13日) - 伝統の木工技術を生かす
(2017年11月20日) - 「つなぐ力」で売り上げ5倍に
(2017年11月27日) - 冬の訪れと「むくり鮒」
(2017年12月4日) - 「音をつくる」ノウハウとこだわり
(2017年12月11日) - 三陸の恵みを全国へ
(2017年12月18日) - 眼鏡を通じた快適生活の提案
(2017年12月25日)
- ベトナムでの事業拡大
(2018年1月4日)
1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】