飛躍の源泉

自社ブランド商品の製造販売を目指して

岐阜経済大学経営学部講師
大前 智文 氏

「繊維のまち」、愛知県一宮市に立地し、メリヤス生地製造業を営む今枝メリヤス株式会社。糸の購入、編み立て、染色整理までを行うテキスタイルメーカーとして、肌触りや伸縮性に富んだ肌着、Tシャツ、体操服などの衣料品・雑貨用生地を製造・販売している。

1946(昭和21)年に創業。地域に広がる繊維・アパレル産業の分業体制の中で、ごまかしのない「いい仕事」から自社の地位を確立してきた。しかし、繊維・アパレル産業の海外進出や輸入品の拡大により、日本国内の産地・産業は苦境を迎えた。

2000年ごろ、現常務取締役の今枝靖久氏、現部長の今枝健次氏の両名が入社。新たな生き残り策を模索する中、生産効率だけにとらわれず、豊富な編み機のラインアップで肌触りや伸縮性、風合い・質感を追求し、「時代が変わっても好まれる商品作り」を志向した。

近年では新たな挑戦の場として、通販サイト「ファクトリエ」に参加。自社ブランド「Factelier by IMAEDA」を展開、手応えを得ている。靖久氏は「生地製造を中心としながら、自社ブランド構築を目指している。自社の生地を使用した製品を積極的に売り出していきたい」と話し、ブランディングという大きな目標に向け試行錯誤を続けている。

2018年1月15日

今枝メリヤス株式会社 :

愛知県一宮市今伊勢町馬寄字西更屋敷15-1
【今枝メリヤス株式会社 HP】

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大前智文

1982年愛知県生まれ。
名城大学経済学部特任助手を経て、2017年より岐阜経済大学経営学部講師に着任。日本中小企業学会幹事。駆け出しの研究者としてフィールドワークを重ね、中小企業に関する調査・研究に取り組む。

大前智文