日本の問題

高成長が続くインド経済

青山学院大学教授、元財務官
榊原英資氏

IMFの最新の世界経済見通し(WEO・2015年7月9日)によると、2015年のインドの経済成長率は約7.5%で、中国の約6.8%を上回ると予測されている。1980年から2009年までの30年間の成長率の平均は中国の約10.0%に対し、インドは約6.1%で、中国の成長率が平均で約4%高く、インドを圧倒してきた。

インドの成長率が中国を上回る傾向は2050年前後までは続いていくと予想されている。中国は人口がピークを打ち、人口減・高齢化局面に入ることもあって、成長率が次第に低下し、2050年には3~4%になると予想されているが、インドは今後も人口が増加し(2050年には約17.1億人、中国は約13.5億人)、6~7%の成長を続けていくと予測されているのだ。結果、プライスウオーターハウスクーパースの推計によると、2050年にはインドのGDPは約42.2兆ドルとアメリカのGDP(41.4兆ドル)を抜いてナンバーツーになり、中国(61.1兆ドル)とインドが、アメリカや日本を上回る2大経済圏になっていくとされているのだ。

2015年8月24日

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1941年生まれ。
1965年大蔵省(現財務省)入省。東海財務局長、大臣官房審議官(国際金融局担当)、国際金融局次長、国際金融局長を経て1997~1999年財務官。現在は青山学院大学教授、財団法人インド経済研究所理事長。
【財団法人インド経済研究所HP】

榊原英資氏