日本の問題

日本のレストランがスゴイ

慶應義塾大学大学院教授
中村 伊知哉 氏

ミシュランガイド2015の星付きはパリ86軒に対し、東京226軒。東京は世界一のグルメ都市といえる。高級店ばかりじゃなくて、安くておいしいものも食べられる。
各国のビッグマック1個あたりの価格を比較したビッグマック指数で、日本は米国や西欧各国より安く、56カ国中上から38番目(安い順では19番目)という調査もある。

いろんなものが食べられる。港区赤坂にある私の事務所から100m以内には日本料理だけでも、すし、てんぷら、ラーメン、うどん、そば、やきとり、牛丼、うなぎ、ふぐなど多様な日本料理の店があり、さらに日本料理以外に15カ国のレストランがある。

そして、楽しい。客に料理するところを見せる店が多く、また、客が自分で料理する店も少なくない。客が自分で作って食べるお好み焼きやしゃぶしゃぶに、外国人は驚きながらも「クール!」と楽しんでいる。

豊かな食の産業文化を生んでいる日本。ただ、飲食店内での言葉の壁や食券システムの操作がわからない、クレジットカードが使えない店が多いことなどに外国人客の不満が多いと聞く。外国人の身になった一層のサービス充実を図りたい。

2015年7月27日

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1961年生まれ。慶應義塾大学大学院 教授。政策・メディア博士。
ロックバンド「少年ナイフ」ディレクター、郵政省、MITメディアラボ客員教授、スタンフォード日本センター研究所長を経て 2006年慶應義塾大学教授。内閣官房知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会座長、デジタル教科書教材協議会事務局長などを兼務。

中村伊知哉