2015年の景気回復
IMFの2015年4月時点の世界経済見通しによると、2014年の日本は消費税率引き上げの影響もあってマイナス成長に陥っている(マイナス0.06%)。
2015年は景気回復の年だが、IMFの予測は1.04%とやや低めだ。これに対し日本のシンクタンクなどの予測はかなり楽観的。ニッセイ基礎研究所は2015年度の実質GDPの成長率は1.8%、16年度は1.9%と予測している。2014年度はマイナス1.0%なので、かなり力強い景気回復を予測しているわけだ。
他方、消費税物価指数は原油価格の下落もあってコアCPI(食料品など価格変動の大きい品目を除いた消費者物価指数)の上昇率は2014年度0.9%から2015年度には0.3%まで下がるとの予測だ(消費税の影響を除くベース)。また、雇用情勢は良好に推移し、大手企業を中心にかなりの賃金上昇が見込まれている。
「アベノミクス」の第三の矢とされている成長戦略は次第に軌道に乗りつつある。設備投資が増加しつつあるが、これが続いていけば景気回復を下支えすることになると思われる。
2015年6月1日
- 円安局面の終焉
(2015年4月6日) - 日本の格差問題は要注視
(2015年4月13日) - 上がらない実質賃金
(2015年4月20日) - クールジャパン
(2015年4月27日) - 石油価格下落のインパクト
(2015年5月4日) - インバウンド効果で消費に春
(2015年5月11日) - 貿易黒字は定着するか
(2015年5月18日) - 「IT」から「IoT」へ
(2015年5月25日)
1941年生まれ。
1965年大蔵省(現財務省)入省。東海財務局長、大臣官房審議官(国際金融局担当)、国際金融局次長、国際金融局長を経て1997~1999年財務官。現在は青山学院大学教授、財団法人インド経済研究所理事長。
【財団法人インド経済研究所HP】