日本の問題

長期化する安倍晋三政権

青山学院大学特別招聘教授、元財務官
榊原英資氏

自由民主党は、総裁の任期を従来の連続2期6年から連続3期9年に延長する案を決定し、2017年3月5日の党大会で党則改正を決めた。

安倍晋三首相は2012年9月に総裁に返り咲き、12月に2度目の首相に就任。総裁任期は2018年9月に2期目が満了するが、3期9年となると2020年の東京オリンピックを経て2021年まで首相を務める可能性が出てくる。

新憲法下で最も長く首相を務めたのは佐藤栄作氏だが、それでも8年足らず、明治以来でも断続的に首相に就任した桂太郎氏の8年弱が最長だ。もし安倍晋三首相が総裁任期いっぱいまで首相を務めると、明治以来最長任期の首相となるわけだ。

3期目に入るとすれば、安倍首相が懸案の憲法改正に踏み込む可能性は高いだろう。1946(昭和21)年2月に9日間でGHQ民政局によって作られた草案がベースになっている現憲法を改正することについては各種世論調査でも賛成が半数を上回っている。どのように改正するのかの議論をそろそろ各方面で検討すべき時期がきているのではないだろうか。

2017年3月20日

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榊原英資 さかきばらえいすけ氏

1941年生まれ。
1965年大蔵省(現財務省)入省。東海財務局長、大臣官房審議官(国際金融局担当)、国際金融局次長、国際金融局長を経て1997~1999年財務官。現在は青山学院大学特別招聘教授、財団法人インド経済研究所理事長。
【財団法人インド経済研究所HP】

榊原英資氏