トランプ政権の失速
アメリカのトランプ大統領の就任直後の支持率は45%(ギャラップ社調べ)で、就任直後の調査では史上最も低かった。また、ワシントン・ポストとABCテレビによる就任100日を前にした調査では、支持率は42%。さらにその後、ロシアゲート疑惑などで支持率は低下し続け、就任半年を前にワシントン・ポストとABCテレビが実施した調査では36%まで低下している。この時期の調査としてはオバマ前大統領が59%、その前のブッシュ元大統領も59%。
トランプ氏の支持率はこれまで最低だったフォード元大統領の39%をも下回り、まさに危機的状況にあるといっていいだろう。
2018年にアメリカ議会の中間選挙が行われるが、このままでは共和党は非常に不利な状態で選挙を戦わざるをえない。おそらく、共和党の重要人物たちはトランプ大統領との関係を断ち、2020年の再選には反対することになるのだろう。
トランプ大統領は連邦債務の上限を引き上げるよう要請しているが、与野党合意は容易ではなく、政府が機能不全に陥る可能性もある。まさに大統領の危機、アメリカの危機だといえよう。
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(2017年7月31日)
1941年生まれ。
1965年大蔵省(現財務省)入省。東海財務局長、大臣官房審議官(国際金融局担当)、国際金融局次長、国際金融局長を経て1997~1999年財務官。現在は青山学院大学特別招聘教授、財団法人インド経済研究所理事長。
【財団法人インド経済研究所HP】