日本の問題

菅首相が総裁選立候補せず

経済ジャーナリスト
大西良雄 氏

政権の命運を占う「青木の法則」というのがある。元自民党参院議員会長の青木幹雄氏が唱えた説で、内閣支持率と自民党支持率の合計が50%を下回ると政権は退陣に追い込まれかねないという経験則。2001年2月、当時の森喜朗内閣はこれが50%を下回り、4月に退陣した。

菅義偉内閣の支持率は時事通信の2021年8月調査によると内閣発足後最低の29.0%、自民党支持率は23.7%。「青木の法則」は52.7(7月調査では50.7)と危機を示す。8月22日の横浜市長選では自身の推す候補が落選する憂き目にもあった。菅氏には新型コロナウイルスに対して有効な策を打てていないなどの批判がある。

今後、自民党総裁選が9月17日に告示、29日に投開票され、その後衆議院議員の任期満了(10月21日)をにらんで総選挙の日程が決まるとみられていたが、そんなさなかの9月3日、菅氏が党の臨時役員会で総裁選に出馬しない意向を表明。首相を辞任する考えとみられ、政界に激震が走った。

週刊文春(2021年8月12・19日号)は、自民党が小選挙区で47議席減らし、比例区と合わせて230議席となり、233議席の単独過半数を割り込むと予測。自民党の減少分は立憲民主党、共産党がほぼ埋めるとも予測していた。菅氏の総裁選不出馬が吉と出るのか、凶と出るのか。総裁選には党前政調会長の岸田文雄氏が立候補を表明しているほか、他にも立候補を模索する動きがあり、情勢は混沌としている。

2021年9月6日

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大西良雄 氏

1945年生まれ。
上智大学経済学部卒業後、東洋経済新報社入社。記者を経て、「週刊東洋経済」編集長、取締役出版局長、同営業局長、常務取締役第一編集局長を歴任。2006年に退任後、経済ジャーナリストとして独立。早稲田大学オープンカレッジ講師も務める。

大西(おおにし) 良雄(良雄)氏