アフターコロナのカギは「DX」
大阪経済大学客員教授・経済評論家
岡田 晃 氏
岡田 晃 氏
新型コロナウイルスの感染拡大は減少傾向となり、経済活動の再開が進んでいる。だが、感染第2波などのリスクもあり、中長期的に経済のあり方や企業のビジネス展開は変えていかざるを得ないだろう。
そのアフターコロナ時代のキーワードとなるのがDX(デジタルトランスフォーメーション)だ。経済産業省の定義によれば、DXとはデータとデジタル技術を活用して製品・サービスを開発、ビジネスモデルを変革させるとともに、業務全体や組織、さらには企業文化や風土などの面まで変革すること。数年ほど前から注目されていたが、コロナ禍を経て一段と重要性が高まっている。
たとえば、テレワーク普及や医療・教育などでのオンライン化はIT需要を拡大させ、新たなIT技術・サービスのニーズと市場を生み出す。企業の業務の進め方や働き方、さらには経営の意思決定プロセスをも変えることになる。
これらはIT業界だけの話ではない。小売業やサービス業では「3密」を避けるための非接触型ビジネスや営業スタイルへの変革も求められ、そのためにデジタル技術を取り込むことが必要となる。あらゆる業種・業態の企業にとってDXを推進することは新しい時代に対応するうえで不可欠なのである。
日本経済全体も当面は厳しい局面が続きそうだが、DXはその中で企業が生き抜くための“武器”でもある。
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1947年生まれ。
日本経済新聞社産業部記者、編集委員、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」マーケットキャスター、経済部長、WBSプロデューサー、テレビ東京アメリカ社長などを歴任し、2006年に経済評論家として独立。同年大阪経済大学客員教授にも就任。