日本の問題

改元の年・2019年の景気は?

大阪経済大学客員教授・経済評論家
岡田 晃 氏

2018年の日本経済はトランプ米国大統領の言動や米中貿易戦争などに振り回されたが、2019年も海外の波乱に揺れ動く1年になりそうだ。

しかし、私はそれでも日本の景気回復が続くとみている。その理由は2つ。第一に、この数年間のアベノミクス効果によって日本経済の足腰はかなりしっかりしてきていること。本コラムでもこれまで指摘してきたように、日本企業は過去最高益を連続して更新し、収益力が高まっている。雇用情勢も大幅に改善するなど、全体として構造的な強さを取り戻しつつある。この流れは一時的な現象ではなく、中長期的に続きうるものだ。

第二は平成が終わり、新しい元号となることだ。明治以降の改元は天皇崩御に伴うものだったため、経済活動が一時的に抑制される傾向があった。昭和天皇崩御の前後、イベントやスポーツ、テレビCMなどの自粛が広がったことを記憶している人もいるだろう。しかし今回は逆に、新天皇即位と改元の記念イベントやセールなど消費の押し上げ効果が期待でき、「新しい時代が始まった」という前向きなムードが広がりそうだ。

改元の年・2019年が、日本経済の“本格復活元年”となることを期待したい。

2019年1月7日

過去記事一覧

岡田 晃氏

1947年生まれ。
日本経済新聞社産業部記者、編集委員、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」マーケットキャスター、経済部長、WBSプロデューサー、テレビ東京アメリカ社長などを歴任し、2006年に経済評論家として独立。同年大阪経済大学客員教授にも就任。

岡田 晃(おかだあきら)