広がるシェアリングエコノミー
経済ジャーナリスト
大西良雄 氏
大西良雄 氏
シェアリングエコノミー(共有経済)が日本でも広がり始めた。インターネット上のマッチング・プラットフォームを介して、個人や法人が保有する遊休資産を貸借・売買・交換することでシェア(共有)する経済活動のことだ。
シェアの対象は、空間(空き家・部屋、会議室)、移動(自動車、自転車)、モノ(不用品、中古品)、スキル(家事代行、技能)、カネ(ネット上の資金提供・調達)など。2017年にはモノのシェアに相当するフリマアプリ市場が前年比58%増の4,835億円(経済産業省推計)に達した。空間のシェアの代表格である民泊市場は前年比約2倍の1,251億円(りそな総合研究所推計)に拡大した。カネのシェアであるクラウドファンディングの規模は2016年に700億~800億円に上ったと内閣府は推計している。
日本でのシェアリングエコノミーの始動は2012年ごろとされ、成長途上だが、さらなる拡大へ向けての課題も多い。ひとつは自動車相乗りに関する道路運送法、民泊などをめぐる旅館業法・旅行業法、資金提供にかかる貸金業法といった規制をどの程度緩和するかだ。さらにマッチング・プラットフォームの信頼性、安全性の確保という課題もある。
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1945年生まれ。
上智大学経済学部卒業後、東洋経済新報社入社。記者を経て、「週刊東洋経済」編集長、取締役出版局長、同営業局長、常務取締役第一編集局長を歴任。2006年に退任後、経済ジャーナリストとして独立。早稲田大学オープンカレッジ講師も務める。