令和を日本経済復活元年に
大阪経済大学客員教授・経済評論家
岡田 晃 氏
岡田 晃 氏
政府は4月1日に新元号「令和」を発表した。きたる4月30日で平成は終わり、5月1日からいよいよ、この新元号の時代が始まる。それは「日本経済復活元年」の始まりでもある、と私は考えている。
平成の終わりが近づくにつれ、「平成最後の〇〇」というキャッチフレーズを冠したキャンペーンやイベントが盛んとなり、それが消費刺激にも一役買っているが、今度は改元ブームが起きて記念セールなどが広がりそうだ。ゴールデンウィークが10連休となることの経済効果も期待できる。
昭和から平成への改元の際は、昭和天皇の入院と崩御によって自粛ムードが広がったが、今回は改元が明るいニュースととらえられており、人々の気持ちを前向きなものにさせている。そのことが陰に陽に経済活動の活性化につながることが期待できる。
また、改元は一時的にせよ、少子高齢化・人口減少に歯止めをかける効果も期待できるかもしれない。実際、平成改元後の数年間は婚姻件数が増え、出生数の減少にも一時的に歯止めがかかった。今回はその流れを持続的なものにできれば、なお良い。
そもそも、ここ数年間の景気回復によって日本経済は構造的な強さを取り戻しつつある。バブル崩壊後では初めてのことで、こうした基調はそう簡単には崩れないとみている。国内外に懸念材料が山積してはいるが、新元号入りとともに日本経済が元気になることを期待したい。
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1947年生まれ。
日本経済新聞社産業部記者、編集委員、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」マーケットキャスター、経済部長、WBSプロデューサー、テレビ東京アメリカ社長などを歴任し、2006年に経済評論家として独立。同年大阪経済大学客員教授にも就任。