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マラソン日本記録に12秒差
35歳の新谷仁美が目指すもの

スポーツライター
酒井 政人 氏

1月15日の米国・ヒューストンマラソンで新谷仁美が激走した。日本記録を上回るハイペースで攻め込み、他の女子選手をぐんぐん引き離していく。結果は2時間19分24秒で完勝したが、日本記録に12秒届かず、歴代2位にとどまった。「自分を犠牲にしてでも私に懸けてくれた人たちがたくさんいた。私が返せるものって結果しかない」とレース後、新谷は涙を見せた。

10000mとハーフマラソンの日本記録を持つ新谷は昨夏のオレゴン世界陸上のマラソンを新型コロナウイルス感染で欠場。その後は沖縄を1人旅していたが、新たな目標を定め集中力を発揮。自己ベストを2分近く短縮した。

2月26日に35歳を迎える。10月にパリ五輪代表の選考協議会(MGC)があるが、まずは「9月のベルリンマラソンで再度挑戦しようと思います」と日本記録を目指す構え。今後も「大嫌い」なマラソンで勝負を続ける。

2023年1月30日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。