強風が吹いた名古屋で独走V
それでも悔し涙再来の松田瑞生
スポーツライター
酒井 政人 氏
酒井 政人 氏
昨年3月の東京五輪マラソン日本代表内定会見で「正直なところまだ整理がついていないので…」と悔し涙を流した松田瑞生。1月の大阪国際を2時間21分47秒の好タイムで制したが、3月の名古屋ウィメンズで一山麻緒が2時間20分29秒(日本歴代4位)で代表に内定。松田は補欠にとどまった。
あの日から約1年。今年の名古屋ウィメンズに登場した松田は類まれな強さを発揮する。強風の中、30㎞以降を独走、後続を2分40秒以上も引き離して2時間21分51秒で圧勝した。一時は「競技をやらなければよかった」と思う日が続いたが、多くの応援や励ましの声を受け、マラソン再挑戦を決意。冬場に月間1400㎞以上を走り込むなど「過去最高」の練習を自らに課した。
ただ、それでも自己ベストには4秒届かず、「昨年の自分を超えられなかった」と再び悔し涙を見せた松田。しかし、涙の数だけ強くなるだろう。
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1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。