甘えがなくなった桐生祥秀
6年ぶりの「日本一」に輝く
スポーツライター
酒井 政人 氏
酒井 政人 氏
10月上旬に行われた日本陸上競技選手権大会。男子100mで桐生祥秀が6年ぶりの優勝に輝いた。前半は多田修平が飛び出し、終盤はケンブリッジ飛鳥と小池祐貴が強さを発揮。それでも桐生は動じなかった。2位とは0秒01差。「勝負弱い」と言われてきた男がスリリングなレースを制した。
「自分の走りをしようという気持ちで臨み、それができた。最後まで冷静に走れたのが勝因かなと思います」
2013年に10秒01を叩き出してから桐生は日本短距離界の中心にいた。
しかし、日本選手権での過去4年の成績は3位、4位、3位、2位。それでも少しずつ記録のアベレージを上げてきた。9秒台は1度だけだが、10秒0台は21度。そのうち11度はこの2年に出したものだ。「甘えがないシーズンだった」と振り返る今季は特に充実していた。0秒01を争う過酷な世界。日々の小さな積み重ねが王者への道につながった。
2020年10月19日
- 35歳になったマラソンランナー
今井正人の矜持
(2019年4月1日) - 日本最速スプリンターが
2019年シーズン好発進
(2019年4月15日) - 多くの心を揺さぶった
タイガー・ウッズの復活劇
(2019年5月7日) - 変わる日本の卓球界
中心にいた水谷隼の最終章
(2019年5月20日) - 小さな身体に大きな志を秘めた
バスケ界のパイオニア
(2019年6月3日) - 世界のスーパースターへ
強さを求め続ける井上尚弥の現在
(2019年6月17日) - BABIPで「運」を数値化
ツイてる男の今後に注目
(2019年7月1日) - サニブラウンの「強さ」の秘密は
シンプル思考にあり
(2019年7月16日) - 大病を克服した阪神・原口
球宴で2 試合連続本塁打
(2019年7月29日) - 競泳女子日本代表
不在エースにささげる日本新
(2019年8月19日) - 42年ぶり快挙のシンデレラ
渋野日向子の「笑顔」から学べ
(2019年9月2日) - 日本選手初の12秒台
進化する「ママさんハードラー」
(2019年9月17日) - 的確な判断で2段階スパート
MGCを制した中村の勝負勘
(2019年9月30日) - 御嶽海が万年三役返上へ
覚悟の押し相撲で昇進なるか
(2019年10月15日) - ドーハ世界陸上で銅メダル
五輪は400mリレーに注目
(2019年10月28日) - 東京五輪で表彰台を狙う
投てき界のニューヒロイン
(2019年11月11日) - 地道な努力で復活を果たした
東海大の駅伝3年生アンカー
(2019年11月25日) - 学生野球に新風を吹き込んだ
プロ出身監督が有終の美
(2019年12月9日) - 世界パラ陸上で初の金!
さらに上を目指す中西麻耶
(2019年12月23日)
- 53歳になる"キング・カズ"
J1最年長記録を狙う
(2020年1月14日) - 創価大・嶋津の激走に沸いた
箱根駅伝10区のドラマ
(2020年1月27日) - 十両優勝した元大関・照ノ富士
幕内再挑戦はこれから本番
(2020年2月10日) - 柔道の最重量級で大金星
小兵・影浦が絶対王者を撃破
(2020年2月25日) - 何気ない一言で人を動かした
稀代の知将・野村克也
(2020年3月9日) - "鬼練習"で限界突破!
22歳の"ラスト・シンデレラ"
(2020年3月23日) - 復活を期す巨人・中島宏之
開幕延期も気持ちは前向き
(2020年4月6日) - 記者会見で流した涙
松田瑞生はもっと強くなる
(2020年4月20日) - 神事としての大相撲に
思いを致した無観客場所
(2020年5月11日) - 4年間のブランクを経て再出発
新谷は東京でメダルに挑戦する
(2020年5月25日) - 変革期を迎える日本ラグビー
魅力を発信し続ける若きラガーマン
(2020年6月8日) - マイク・タイソンが復帰!?
53歳のチャレンジに世界が注目
(2020年6月22日) - 巨人が開幕戦で通算6000勝
日本一奪還へ好スタート
(2020年7月6日) - 40歳・遠藤の新チャレンジ!
コロナ禍のJリーグを熱くする
(2020年7月20日) - 伸び盛りの20歳
田中希実が快走連発
(2020年8月3日) - 高校球児たちの特別な夏
その1球が青春の思い出になる
(2020年8月24日) - 全英予選落ちも切り替え早く
"シブコ伝説"本番はこれから
(2020年9月7日) - 3年後につなぐ松島の挑戦
フランス1部で鮮烈デビュー
(2020年9月23日) - 五輪表彰台へ視界良好
進化を続ける女子体操エース
(2020年10月5日)
1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。