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世界パラ陸上で初の金!
さらに上を目指す中西麻耶

スポーツライター
酒井 政人 氏

「未来をあきらめるのは嫌だ」
21歳の時に仕事中の事故で右脚の膝から下を失った。それでも義足と出合った中西麻耶は未来を切り開いていく。パラアスリートとして新たな人生を歩み始めたのだ。競技用の義足は100万円を超える。自分で活動資金を集め、パラリンピックは北京大会から3大会連続で出場。徐々に記録を伸ばしていくが、世界の頂点には届かない。

しかし、今年11月のドバイ世界パラ陸上競技選手権で待ち望んだ瞬間が訪れる。女子走り幅跳び(義足T64)で金メダル。5本目まで3位だったが、最後の6本目に5m37をマークしての大逆転優勝だった。初めての世界タイトルに涙を流して喜んだが、「5m60~70は跳びたかった」と中西は満足していない。自己ベストは2016年に樹立した5m51(アジア記録)。35歳で迎える来夏の東京パラリンピックでさらなるビッグジャンプを誓っている。

2019年12月23日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に「箱根駅伝ノート」「東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと」など。