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競泳女子日本代表
不在エースにささげる日本新

スポーツライター
石川 哲也 氏

7月に行われた世界水泳で競泳日本代表"トビウオジャパン"は、男女のリレー6種目で12位までに与えられる東京五輪の出場権を手にした。中でも女子400m自由形リレー(大本里佳、青木智美、佐藤綾、白井璃緒)は、エース・池江璃花子不在の中、予選で3分36秒17の日本新記録を叩き出す力泳を見せた。

合言葉は「璃花子のために頑張ろう」。第2泳者の青木は「今まで頼っていた池江選手がいない中で個々が力をつけることが大事だった。日本記録が出せて、池江さんの励みになればうれしい」と言い、アンカーを務めた白井は「来年は璃花子ちゃんと一緒にリレーを組めれば」とも。

日本の女子競泳陣の目指すべきレベルを不在のエースが引き上げたのは間違いない。メンバーの池江への、そして池江のメンバーへの思いが詰まった日本新記録だ。

2019年8月19日

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石川哲也氏

1977年神奈川県生まれ
野球を中心にスポーツの歴史や記録に関する取材、執筆をライフワークとする。著書に「歴史ポケットスポーツ新聞 野球」(大空出版)、「メジャーリーグ大記録への挑戦」(宝島社)など。