大病を克服した阪神・原口
球宴で2 試合連続本塁打
スポーツライター
石川 哲也 氏
石川 哲也 氏
2018年末、原口文仁(阪神)は大腸がんが見つかり、年明けに手術をした。現役プロ野球選手のがん手術は異例のこと。誰もが今季は絶望だと考えた。しかし本人は「早期に1軍へ復帰する」と宣言。地道なリハビリ、トレーニングを経て6月に1軍復帰を果たした。
そしてオールスターゲームに、ファンがどうしても見たいセ・リーグ最後の1人を選ぶ「プラスワン投票」で出場。1戦で代打2ラン本塁打を放つと、2戦でもソロ本塁打を放ち、2試合連発。ファンに夢と感動を届けた選手に贈られる「マイナビ賞」を手にした。
「野球を始めた時のような原点に戻れた。夢の舞台に立たせていただいた多くの方に感謝の気持ちでいっぱい」
原口はオールスターゲームでの本塁打を「恩返し」だと言う。しかし感動をもらったのはファンの方だろう。大病を克服した27歳は、これからもプレーでファンに勇気を与えつづけていく。
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1977年神奈川県生まれ
野球を中心にスポーツの歴史や記録に関する取材、執筆をライフワークとする。著書に「歴史ポケットスポーツ新聞 野球」(大空出版)、「メジャーリーグ大記録への挑戦」(宝島社)など。