BABIPで「運」を数値化
ツイてる男の今後に注目
スポーツライター
石川 哲也 氏
石川 哲也 氏
真芯でとらえた打球でも野手の正面をつけばアウトになるが、凡フライでも野手の間に落ちれば安打になる。
野球とは「運」の要素が強いスポーツだ。アメリカの野球統計学、セイバーメトリクスには、運を数値化したBABIP(Batting Average on Balls In Play)という指標がある。BABIP=(安打-本塁打)÷(打数-三振-本塁打+犠飛)の計算式で、本塁打を除くフェアゾーンに飛んだ打球が安打になった割合を表す。ラッキーな安打が多いほどBABIPの数値は高くなる。
日本のセ・パ交流戦前(6月2日時点)のBABIP両リーグ最高は神里和毅(DeNA)の.440。12球団平均.291を大きく上回る最もツイていた打者だ。ただ統計学的にBABIPは長期的には3割に平均化されるため、極端に高い数値は今後、落ちていく可能性大。神里は運を味方にいつまでラッキーな安打を打ち続けることができるのか?
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1977年神奈川県生まれ
野球を中心にスポーツの歴史や記録に関する取材、執筆をライフワークとする。著書に「歴史ポケットスポーツ新聞 野球」(大空出版)、「メジャーリーグ大記録への挑戦」(宝島社)など。