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4年間のブランクを経て再出発
新谷は東京でメダルに挑戦する

スポーツライター
酒井 政人 氏

新谷仁美は2013年モスクワ世界選手権の女子1万mで5位入賞を果たしたが、翌年1月に引退を表明。主な理由は右かかとの故障が完治しなかったことで、「別の道に行ってもいいのかな」という気持ちもあったという。25歳の時だ。引退後は会社員生活を送るが、デスクワークに戸惑い、13kgほど太ったという。それでも現役復帰を願う関係者の声は強く、2017年夏にプロランナーとして再出発を図った。

すぐに恥骨を骨折するも、レース復帰から半年でドーハ世界選手権1万mの参加標準記録を突破。昨秋の同大会では11位という結果を残したが、「入賞すらできなかった」と新谷は満足していない。今年1月にはハーフマラソンで1時間6分38秒の日本記録を樹立。33歳で東京五輪を迎えることになるが、「競技面での衰えは感じていません。メダルが一番の目標です」と世界トップへの挑戦はとまらない。

2020年5月25日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に「箱根駅伝ノート」「東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと」など。