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白血病から復帰し、絶望を希望へ
池江璃花子の現在地点

スポーツライター
酒井 政人 氏

あきらめない限り夢は近づいてくるのかもしれない。白血病からの完全復活を目指す20歳の池江璃花子が1月23日の北島康介杯100m自由形に出場。予選を56秒16で通過すると、決勝は55秒35で4位に入った。「焦って後半は体が固まりうまく泳げませんでした」と反省しつつも、目標にしていた日本選手権の参加標準記録を突破した。

池江は2019年12月に退院し、2024年のパリ五輪を目指す意向を表明。昨年8月の50m自由形で594日ぶりにレース復帰した。今回の結果で東京五輪も見えてきた池江。4月の日本選手権は2枠の個人種目に加え、4×100mリレーのメンバー選考もかかる。

池江自身は「今日泳いでみて『チャンスがあるかな?』って疑問が生まれました。勝負の世界は甘くありません。勝ち負けにこだわっていかないと」と話すが、1年延期した東京五輪に向けても"希望の光"が差し込んできた。

2021年2月8日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。