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レジェンド葛西はあきらめない
50代での五輪出場になお意欲

スポーツライター
酒井 政人 氏

どんなに偉大な王者でも年齢的な衰えは必ずやってくる。

10月24日の「ノルディックスキージャンプ・NHK杯兼全日本選手権・ラージヒル」。冬季五輪で史上最多の8大会連続出場を果たしているレジェンドに厳しい"審判"が下された。49歳の葛西紀明は22位。来年の北京五輪出場が絶望的となったのだ。それでも葛西は上を向いている。

「悔しい結果に終わりましたが、オリンピックへの思いは強いです。僕しか9度目の挑戦はできないですし、まだまだあきらめずに狙っていきたい。来年50歳になりますけど、やめる気はありません」

2026年ミラノ五輪、そして札幌市が開催都市として立候補している2030年冬季五輪。50代になっている葛西が空高く舞い上がるかもしれない。追い求めた者しか夢はつかむことができない。"あきらめの悪い男"の生き様は決してカッコ悪いものではないだろう。

2021年11月8日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。