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東京五輪の悔し涙から22日
栄光に向かって走り出した桐生

スポーツライター
酒井 政人 氏

「日本の国旗をこの舞台で掲げたかった。こういう結果になったのは誰も悪くない」。金メダルが期待されていた8月6日の東京五輪・男子4×100mリレーは決勝の舞台でまさかの途中棄権。バトンを持って走ることができなかった桐生祥秀の頬に涙がこぼれた。

真夏の悪夢から22日後の8月28日、桐生は「Athlete Night Games in FUKUI」に参戦するため福井にいた。 50mと100m予選・決勝の3本に出場。100mは10秒18(±0.0)で完勝した。

「走り方から全部変え、ウエイトトレーニングを結構やりました。(100mにかかる)歩数をトータル1歩~1歩半縮めたい。そのためには爆発的なスタートと中盤のスピードが必要。9秒8とか7に向かうとなるとパワーが足りませんから」

桐生が9秒98をマークした時には47.3歩で100mラインに到達している。「46歩」で走り切れるようになった時"新たな扉"が開かれるだろう。

2021年9月13日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。