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大横綱・白鵬が去る大相撲
照ノ富士の時代がやってくるか

スポーツライター
酒井 政人 氏

スポーツの世界では大本命ほどプレッシャーが大きくなる。その重圧をはねのけて、白星を重ねることで本物の"強さ"が身についていく。9月の大相撲秋場所は、所属部屋に新型コロナウイルス感染者が出たため横綱・白鵬が全休。新横綱の照ノ富士が「ひとり横綱」を務め、大関時代とは格段に違う熱視線の中、13の勝利をつかんだ。

賜盃を受け取った横綱は「地位が一番上で、責任を果たさなきゃいけないという思いはありました」と語った。一方で、過去との違いを問われると、「別に変わった様子はありません」と静かに答えている。意識しているのは昇進伝達式で述べた口上の「不動心」だ。

新横綱場所から連続優勝を果たしたのは過去4人だけ。白鵬が引退し、同じモンゴル出身の照ノ富士の時代がやってくるのか。それとも日本生まれの力士が意地を見せるのか。今後も熱い戦いを楽しみにしたい。

2021年10月11日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。