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春の大決戦に散った村田諒太
自分に負けなかったことを誇りに

スポーツライター
酒井 政人 氏

2012年ロンドン五輪のボクシングミドル級で金メダルを獲得し、その後常に注目を浴びてきた村田諒太。プロ転向後も勝ち続け、2017年にはWBAミドル級世界王者に輝いた。王座陥落、奪還を経て、スーパー王者に。そして迎えた2022年 4月9日の超ビッグマッチ。WBA&IBF世界ミドル級統一王者ゲンナジー・ゴロフキンと対戦した。

村田は序盤からプレッシャーをかけて揺さぶった。しかし、中盤以降、「God of war」と呼ばれるカザフスタンの英雄に押し返され、9回に強烈な右フックを被弾。セコンドからタオルが投入された。壮絶な激闘は幕を閉じた。

「プロになって苦しくて、全然楽しくなくて…。勝たないといけないプレッシャーがあった」と本音を明かした村田。それでも世紀の一戦を終えて、「これまでの感覚とはまったく違う。自分に負けなかった。『勝利以上のもの』をもらえた気がします」と語り、自分をたたえた。

2022年5月9日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。