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箱根駅伝をめぐる熾烈な戦い
知られざるメンバー争いの裏側

スポーツライター
酒井 政人 氏

11月上旬の全日本大学駅伝が終わると、箱根駅伝に向けた"メンバー争い"が本格化していく。11月24日には10000mレースによるMARCH対抗戦が開催された。28分14秒34でトップを飾った青山学院大・近藤幸太郎は「28分15秒が目標だったので、狙いどおりのレースができました。箱根では区間賞を狙っていきたい」と笑顔を見せた。総合成績でも青山学院大が圧勝し、正月決戦に弾みをつけた形だ。

箱根駅伝は12月10日に各校16人のエントリーメンバーを提出するため、秋のレースはチーム内選考として大きな意味を持つ。そこから先は試合がほとんどなく、日々の練習が選考会。自然とピリピリした雰囲気になっていく。風邪や故障もライバルだ。正月の晴れ舞台に立てるのはいくつもの"試験"をパスした10人だけ。箱根路を目指すランナーたちにとって本番以上ともいえる"過酷な戦い"が待っている。

2021年12月6日

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酒井 政人

1977年生まれ。
箱根駅伝を目指し、東京農業大学に進学。1年時に同駅伝10区に出場。卒業後からライター活動を開始。著書に『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。