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『なぜネギ1本が1万円で売れるのか?』
(清水寅著、講談社+α新書)

20歳代で7つの会社の社長を歴任した後、山形県天童市で「ねぎびとカンパニー株式会社」を設立した著者の半生とネギ作りへの思いをつづった1冊。ビジネスのヒントが随所に散りばめられている。30歳で農業の世界に飛び込み、糖度21.6度のネギを生み出した清水氏。「真の葱」、「寅ちゃんねぎ」、「キスよりあまい ほうれん草」などのブランド野菜を栽培し、販売してきた。中でも清水氏が「自動車メーカーがF1に参戦するようなもの」と語るのが300万本に約10本しか取れない1本1万円のネギ「モナリザ」。それによって高付加価値化に成功したノウハウも公開している。

このほか、家庭菜園用の苗と肥料「寅ちゃんねぎの苗・肥料」の販売も開始。一般のビジネスでは考えられない農業界の常識を疑い、絶えず疑問を呈して改善に取り組んできた歩みが生き生きと描かれている。

2021年1月18日

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