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Book

『コロナの時代の僕ら』
(パオロ・ジョルダーノ著、飯田亮介訳、早川書房)

ローマ在住のイタリア人作家、パオロ・ジョルダーノが2月下旬から3月下旬に書き継いだエッセイ27本にあとがきを加えて緊急出版した1冊。

筆者は新型コロナウイルス感染症の発生と広がりの責任は、人類にあると断言。人間が関与する環境破壊が地球全体の生態系に大きなダメージを与えていることに、今回のウイルス感染拡大も大きく関係していると考え、人類は「ひとつの壊れやすくも見事な生態系における、もっとも侵略的な種」だと訴える。コロナウイルスが過ぎた後も忘れたくないことをリスト化し、自らの気持ちを整理。世の中がどのように変化するのか、また変化しないのかといった観点からパンデミック後の世界を予測する。

あとがきに記された「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」の1文に考え込む人が多いのでは?

2020年6月15日

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