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Book

『まむし三代記』
(木下昌輝著、朝日新聞出版)

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で、本木雅弘がその酷薄な人物像を演じ、話題を集めている、「美濃のまむし」こと、戦国大名の斎藤道三。彼による美濃の国盗りは近年の研究では、その父である法蓮房(長井新左衛門尉)との父子2代による成果であるとの説が有力で、本書はその2人に、道三の息子の豊太丸(斎藤義龍)まで加えた父子孫3代にわたる壮大な戦国絵巻だ。

国盗りの野望を秘めて美濃を目指し、美濃国の守護大名だった土岐家の中でのし上がった法蓮房。そして、その意を受け継ぎ、美濃国の奪取に成功した道三。2人が利用した「国滅ぼし」と呼ばれる武器とは何か? そして、その真実に行き着いた3代目の決断とは?

戦国ものとしてはもちろん、謎解きが味わえるサスペンスとして、また資金調達や経済封鎖といったビジネス小説的な面白さもある一冊。税込み1,980円。

2020年4月27日

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