90年前の五輪で日本初の金メダル
新競技場建設に伴い解体された旧国立競技場の「織田ポール」と呼ばれる高さ15.21mのポールがあった。その由来となった人物は織田幹雄氏。1928(昭和3)年のオランダ・アムステルダム五輪で陸上競技三段跳びに出場し、日本選手として初めて金メダルを獲得した伝説の陸上選手だ。その時の記録が15.21m。この偉業を記念して立てられたポールだったのだ。
日本陸上を一躍世界の舞台へと押し上げた立役者は当時、早稲田大学の学生だった。1931(昭和6)年に大学を卒業した織田氏は朝日新聞社に入社。選手を続けながら運動記者として活躍した。
戦後は記者としての活動の一方、日本陸上界の再建、人材育成に尽力。1964(昭和39)年の東京五輪では陸上の日本代表総監督も務めた。戦後の日本陸上界の育ての親ともいえ、「陸上の神様」と呼ばれた。
その織田氏は1998年12月2日に死去した。93年の生涯だった。
(隔週で掲載します)
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