スポーツ百話

死闘を制し世界王座奪取

1965(昭和40)年5月18日、愛知県体育館。フライ級に続き、バンタム級での世界2階級制覇を目指すファイティング原田(本名・原田政彦氏)は当時の世界王者エデル・ジョフレ(ブラジル)とのタイトルマッチに挑んだ。ジョフレは「黄金のバンタム」の異名を持ち、8度の王座防衛をすべてKO勝利していた無敵の王者。事前予想は圧倒的なジョフレ優勢だった。

接近戦で戦うインファイトを得意としていた当時22歳のファイティング原田だったが、強打のジョフレ相手のこの試合、相手との距離を保って戦うアウトボクシングに出た。4ラウンド、原田のアッパーがジョフレのあごをとらえ、その後猛ラッシュ。しかし、それを耐えたジョフレが5ラウンドには逆襲、原田にダメージを与えるなど、一進一退の展開となった。

15ラウンドを戦い、僅差の判定で原田が勝利して世界王座を奪取したこの試合はボクシング史に残る名勝負として語り継がれている。(隔週で掲載します)

2018年5月14日