54年を要したマラソンゴール
「箱根駅伝」の実現に尽力したり、マラソン選手の指導・育成に力を注ぐなどして「日本マラソンの父」と称される金栗四三(しそう)氏。2019年のNHK大河ドラマで主役の1人としてその生涯を描かれることが決まった彼は短距離の三島彌彦(やひこ)氏とともに1912(明治45)年7月、日本初の「オリンピアン」としてストックホルムオリンピックに出場した。
だが、マラソンに出場した金栗氏はレース途中で倒れて失神。ゴールすることすらかなわなかった。
それから半世紀以上が過ぎた1967(昭和42)年3月、金栗氏はスウェーデンのオリンピック委員会からストックホルムオリンピックの記念式典に招待された。金栗氏を待っていたのは、あの日かなわなかった競技場のゴール。オリンピック委員会の粋なはからいだった。金栗氏がゴールテープを切ると、史上最も遅い「54年8カ月6日5時間32分20秒3」という記録がアナウンスされた。
(隔週で掲載します)
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