テニス界から初の五輪メダル
初めて日本の選手が出場したオリンピックは前回ご紹介した1912(明治45)年のストックホルム。一方、日本に初のメダルをもたらしたのはそれから8年後、1920(大正9)年8~9月にベルギーのアントワープで開かれたアントワープオリンピックだった。
日本の五輪史に名を残したのは、テニスの熊谷一彌選手と柏尾誠一郎選手。特に熊谷選手はニューヨークに勤務し、全米ランキングで3位に入るほどの強豪選手だった。連日の雨でぬかるむコートと過酷な試合日程の中、熊谷選手は男子シングルスで決勝まで進むものの、最後に力尽きて銀メダル。続く柏尾選手と2人で臨んだダブルスも銀メダルに終わった。
当時の日本のテニスが世界レベルにあったということに驚愕する。だが、その後、日本テニス界がオリンピックでメダルを手にするのは96年後、2016年リオデジャネイロオリンピックでの錦織圭選手の銅メダルを待たねばならなかった。
(隔週で掲載します)
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