落語家のバー
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
無機質なコンクリートの町の代表格に数えられることもある名古屋だが、じっくり町を歩くと、意外に古い町並みが残り、歴史に育まれた雰囲気がそこここに残る。大須(名古屋市中区)もそうした歴史ある名古屋のいわば下町であり、最近は若い世代に人気である。その大須に少し風変わりなバーがある。「駄菓子屋バー チャーリーズ」。常連客だけでなく、県外からわざわざ訪れる客も多い。
実はこの店の店主は、雷門福三という落語家。名古屋は芸どころ。大須には演芸場もあり、江戸でも上方でもない、名古屋の落語を発展させてきた。雷門も明治期に東京から名古屋に移って以来の一門である。「名古屋の言葉で、名古屋の話を落語にしたい。若い人たちに興味を持ってもらい、地元のことを知ってもらうためにも、東京や大阪の落語をそのままやるのではなく、名古屋ならではの落語を作っていきたい」と福三氏は話す。
地元の言葉・習慣・文化を残していこうという取り組みは、小さいけれども各地で見られる。笑いが絶えない下町の小さなバーで、今宵も駄菓子をつまみに酒を酌み交わす客に向けて、福三氏が語る地方の文化や歴史。そんなところから新しいビジネスにつながるきっかけも生まれてくるかもしれない。
2016年2月29日
駄菓子屋BAR チャーリーズ :
愛知県名古屋市中区大須2-7-46
【雷門福三公式 HP】
- ライバルとの連携で飛躍
(2015年4月6日) - 人とつながる「縁」農活動
(2015年4月13日) - 「夢」をスタートさせるビジネス
(2015年4月20日) - 「食事の楽しさ」をデザイン
(2015年4月27日) - 事業連携の第一歩は気づきと想像力
(2015年5月4日) - 赤レンガ復元をブランドに
(2015年5月11日) - ブランド創りのカギは「やせがまん」
(2015年5月18日) - 地域から必要とされる
(2015年5月25日) - 「選択」の楽しさを提供
(2015年6月1日) - 身近な缶は、実はエコロジー商品
(2015年6月8日) - 日本の住宅産業を変える
(2015年6月15日) - 印刷業から出版の新市場を創造
(2015年6月22日) - 23区唯一の造り酒屋は大人気
(2015年6月29日) - 新規事業は足元から
(2015年7月6日) - 酒造りは良縁を醸すサービス業
(2015年7月13日) - 自前の超精密技術で、新事業展開
(2015年7月20日) - 隣接異業種への挑戦
(2015年7月27日) - がんばれ、日本の鋳物産業
(2015年8月3日) - 養豚経営のあり方を模索
(2015年8月10日) - 世界へ飛躍するデザイン力
(2015年8月17日) - 「こだわり」こそ武器
(2015年8月24日) - 自社の価値と位置を再認識
(2015年8月31日) - ママたちが「HAPPYに楽しむ」
(2015年9月7日) - 「課題解決」による顧客創造
(2015年9月14日) - 革新を続ける伝統企業
(2015年9月21日) - 中小企業が市場を創る
(2015年9月28日) - 鈴鹿から世界へ挑戦
(2015年10月5日) - 本場仕込みのヤギチーズ
(2015年10月12日) - こだわりの技術で市場を開拓
(2015年10月19日) - 100年マンションの実現を
(2015年10月26日) - 地域の資源をつなぐ
(2015年11月2日) - 挑戦を続ける最先端企業
(2015年11月9日) - メリヤスの草履が世界へ飛翔
(2015年11月16日) - アイデア銭湯
(2015年11月23日) - 着物を海外へ
(2015年11月30日) - 超硬金型を武器にタイで展開
(2015年12月7日) - ロボット技術で自立への道
(2015年12月14日) - 成長の秘訣は「捨てること」
(2015年12月21日) - 未来の糧の種をまく
(2015年12月28日)
- 伝統技術とデザイン力で世界へ
(2016年1月4日) - 時間を買ってもらう
(2016年1月11日) - 自動車から医療機器への参入
(2016年1月18日) - スーツ、金髪の若者が農業を変える!
(2016年1月25日) - 外部との連携で生まれた新製品
(2016年2月1日) - 世界に広がる爪切り
(2016年2月8日) - 経営資源の集中で新市場創造
(2016年2月15日) - ひらめきを具現化した「割裂工法」
(2016年2月22日)
1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】