ロボット技術で自立への道
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
フラワー戦隊ナガレンジャー。このちょっと不思議なロボットは、山形県長井市の中小企業経営者たちが生み出した。企業城下町だった長井市から、「城主」たる大企業が撤退へ舵を切り、残された中小製造企業は否応なく、独立・自立の道を歩まざるを得なかった。
そんな経営者たちが選んだ道は、地域の中小企業同士、さらに人材を生み出す長井工業高校との連携。「まずはみんなが楽しんで参加できるものを」という考えのもと、二足歩行ロボットを開発し、ロボット競技会「ロボワン」への参戦を目指した。中心となったのが、株式会社昌和製作所の代表取締役社長、小関博資氏。ロボットには金属加工、部品製造、組み立て、さらには電気電子技術、制御技術など、次世代のものづくりに求められる要素が詰まっている。「ロボット開発を通じて、全国や海外の大学、企業の研究者などとのネットワークが構築されてきた」と小関氏は言う。
ロボットシティ「長井」の名は、多くの人に知られるようになった。地元の製造企業は、ロボット開発から得た知見を生かして、他にはない加工技術や開発力を身につけてきた。昌和製作所も、医療機器分野への進出などを果たしている。ナガレンジャーのフィールドは、東北から世界に広がっている。
2015年12月14日
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(2015年5月4日) - 赤レンガ復元をブランドに
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(2015年7月27日) - がんばれ、日本の鋳物産業
(2015年8月3日) - 養豚経営のあり方を模索
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(2015年8月24日) - 自社の価値と位置を再認識
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(2015年9月7日) - 「課題解決」による顧客創造
(2015年9月14日) - 革新を続ける伝統企業
(2015年9月21日) - 中小企業が市場を創る
(2015年9月28日) - 鈴鹿から世界へ挑戦
(2015年10月5日) - 本場仕込みのヤギチーズ
(2015年10月12日) - こだわりの技術で市場を開拓
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(2015年12月7日)
1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】