23区唯一の造り酒屋は大人気
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
大人の社会科見学と名づけて知人たちと訪問させていただいた小山酒造株式会社は、東京23区に唯一残った造り酒屋だ。現在の東京都北区岩淵の地に1878(明治11)年に酒造に適した湧水を見つけた初代が創業してから、100年を超す歴史を刻んできた。
現在の代表取締役は5代目の小山周氏。「かつてここを通る旅人に振る舞ったといわれる、敷地内から湧き出る水は非常に質が良く、その水を使った清酒ということで、丸眞正宗は東京都地域特産品認証食品に選ばれました」
試飲を勧めてくれた妻の小山久理常務は「うちのお酒はチーズに合うんです」と教えてくれた。酒の仕込みを見ることができる見学スペースでは、日本酒に関するイベントやセミナーなども開催。「かわいいものもあって、お客様にも人気です」という古いラベルコレクションの展示などに若い蔵元夫婦の感覚が生きている。最近は、ドラマや旅番組で取り上げられたこともあって地元の赤羽や王子の人気が上昇し、飲食店も繁盛。小山酒造も注文が増えている。人気居酒屋で出されるのは、小山酒造の丸カップ。
手軽に楽しむなら、このカップ酒だが、じっくり楽しむなら秩父を源流とする東京の水でしっかり作られた大吟醸や純米吟醸もお勧めだ。
2015年6月29日
小山酒造株式会社 :
東京都北区岩淵町26-10
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1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】