身近な缶は、実はエコロジー商品
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
テーマパークや観光地に行くと、お土産を選ぶのも楽しみのひとつ。中には、中身よりパッケージにひかれる人も少なくないだろう。
紙のパッケージより豪華な見栄えで、中身を食べ終わってから再利用もできる。そんな様々な缶を製造しているのが杉浦製罐だ。
「古い業界なので、工場の生産管理などを改善するのに時間がかかりました」と代表取締役の杉浦由記夫氏。新潟県の燕工場を見せていただいたが、清潔に整えられた工場で生産されている。「外側とはいえ、食品を入れるものですから、お客様が見て納得していただける環境での生産を心がけています」
昨今、海外からの観光客の「爆買い」が話題になっているが、購入客たちが異口同音に言うのが日本のパッケージの美しさ。紙のパッケージはもちろん、日本の缶のデザイン性や印刷の緻密さ、機密性の高さも定評がある。また、「スチール製の缶は、実はリサイクル率が非常に高いエコロジー製品」と杉浦氏。だが、紙やビニールなどのパッケージよりエコロジーだという点はあまり知られていない。
創業は1903(明治36)年。長い歴史を持つ商品である缶が環境にやさしい商品であることを消費者にどう理解してもらうか。110年を超す老舗企業の新たな挑戦が続く。
2015年6月8日
杉浦製罐株式会社 :
茨城県守谷市百合ヶ丘2-4807
【杉浦製罐株式会社 HP】
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(2015年6月1日)
1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】