人とつながる「縁」農活動
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
山形県川西町、人口約1万6000人の小さな町だ。その玉庭地区に浦田英明さんと優子さん夫妻が営む浦田農園がある。2人が山形に移住就農し、20年近くが経過した。浦田農園の売りはおいしい枝豆。栽培してみたら、非常においしく、「適地適作が一番」だと今では「枝豆農家」と自称するほどだ。
若い農家だけに、様々な取り組みをしてきた。1995年には直売所での販売を開始し、2000年にはネット通販を始めた。枝豆中心の栽培、消費者産直やネット通販による販売は、周囲の懸念をよそに、時流に合致した。農業研修や援農研修へ参加していた夫婦なので、農業体験を希望する人たちを受け入れるファームステイも行う。苦労は多いが、人のネットワークはどんどん広がっている。
販売先も高級料亭、生協、弁当店や関東の高級スーパー、そして消費者産直とユニークだ。英明さんは「田畑に立って作物と話をすること」、優子さんは「作物を届けるお客様とやり取りをすること」が好きだと言う。販売先とのやりとりも欠かさない。顧客の声を聞き、生産し、そして販売する。人と人とのつながりを重視した農業、まさに「縁」農活動だ。人とのつながりの中で、必要とされるものを作る。農業だけではなく、事業の基本だ。
2015年4月13日
浦田農園:
山形県東置賜郡川西町大字玉庭4982-4
【浦田農園HP】
- ライバルとの連携で飛躍
(2015年4月6日)
1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】