スーツ、金髪の若者が農業を変える!
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
スーツを着て農作業? 何のことかわからないまま、ちょうど刈り入れ時期の山形県東置賜郡川西町の水田に出かけてみると、コンバインに乗って農作業をするスーツ姿で金髪の若者の姿があった。家福来(かぶら)ファームの齋藤聖人氏、26歳だ。
齋藤家は江戸時代から16代続く農家である。「農家を継ごうと思った時、なんだか農業に対してマイナスのイメージを持っている人が多いなあと思いました。ならば、楽しそうだなあと関心を持ってもらえるようなことをしようと思ったんです」。話してみると、朴訥としたまじめな青年である。
「スーツは、農作業の時の作業服です。だから、そうじゃない時は、スーツは着ないんです」。妻の美友生さんと2015年1月から町の図書館やホールの入るフレンドリープラザでカフェも始めた。こだわったコーヒーと自らが栽培した米で作ったおにぎりなどを提供している。齋藤家の印の蕪(かぶら)と農業で幸せを届けたいという願いを込めて、自らの作る米に「家福来米(かぶらまい)」と名付け販売にも努力している。東京のおしゃれな美容院で販売されることも決まった。
金髪・スーツ姿で農作業する若い農家は、次々と新しいアイデアで挑戦している。
2016年1月25日
家福来ファーム :
山形県東置賜郡川西町大字上小松932
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1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】